お陰様で、一般のお客様の住宅や不動産についての相談が、相当増えてきました。
少し過剰気味なので、少々疲れ気味ではありますけど・・・。
そうした中で最近特に感じることの一つは、住宅メーカーを含め、顧客志向の会社や従業員のいる
会社とそうでない会社が極点に分かれてきているように思えます。
大手メーカーの建築費用は、一般の優良住宅会社と比較するとおおよそ、2割から3割は割高になり
ますが、将来にかかるメンテナンス費用や光熱費、災害時のメンテナンス費用等を考えると建築当
初は高価なメーカーの住宅も結果的には、安くつくかのような営業トークをしています。
昔、私が大手メーカーで営業をしていた時と比較しても、かなり極端なトークです。
お客様の中には、メーカーの住宅は将来メンテナンスが必要なく、外壁などは、まるで汚れたり
傷んだりしないように思っておられる方が多く見受けられます。
一般に地元メーカーの標準仕様は価格的な優位性をアピールするために、外壁や屋根材を廉価な
仕様を標準仕様にしているケースが多いですが、お客様の方から、メンテナンス性も重視したい
との意向を伝えると大手メーカー以上の仕様が、そう高くない追加費用ですることができます。
光熱費についても、大手メーカーは高気密高断熱をうたってはいますが、実際には一般住宅との
性能差はなく、一部のメーカーの高額商品でC値・Q値などの具体的な数値を開示しているに
過ぎません。また、多少のメンテナンスの優位性があったとしても、メーカーの保証を受け続け
ようとすると、建築した会社でその後の工事も行わなければならなく、仮に一般の外壁塗り替え
や屋根の葺き替え工事などのリフォーム費用も普通の工事であるにも関わらず、大手ならではの
経費が掛かる上に、結局下請け業者に丸投げして3割ほどの利益を載せますので、リフォーム費用
も3割高いお金を払い続けることになるのです。結果として、最初も高価で、メンテナンス
(リフォーム)費用も高く支払うことになるにも関わらず、このようなトークを駆使する営業マン
が多いことにビックリしています。
本来であれば、「大手メーカーで経費も掛かっているので、性能の割には値段が高いです。メンテ
ナンスも一般の会社の3割ほど高いですけど、メーカーの住宅は安心感があって、メーカー志向の
お客様にはピッタリです。」と、そんな売り文句を言って、それに合ったお客様が建築すべきなの
ですが、売ってしまえば、建ててしまえばの会社や営業マンがあまりにも多く、私としては素人
であるお客様に対して危機感を持ってしまいます。
営業マンが自社の良いところをアピールし、売りたいのは当たり前だとは思いますが、中には営業
マン自身がこのお客様にはこの住宅ローンの金額は実際には厳しいと分かりつつも、買い入れが
可能であれば、過剰なローンをすすめますし、このお客様の嗜好や予算ならば、他社の商品の方
が良いと思っていても、自社商品をなんとか売ろうとします。
当たり前のことかもしれませんが、相手のお客様が素人である以上、高額の買い物をするにあ
たって、自ら勉強したり、第三者にアドバイスを受けて、充分な知識を身につけながら、プロの
営業マンとの折衝に臨まないと後悔することになります。